花箱工房 Hanabako-kobo へようこそ 工房Ⅱ |
組み上げ塗装工程に入ると製作ゴールが見えてきますが、最後まで気を抜くことはありません。組み上げ塗装にかかわらず、私の塗装作業は同一方向面塗りです。部品の塗装後の乾燥は必ず塗装面が真上にくるようにセットし、自然乾燥がすべてです。つまり、面ごとに塗りをするわけです。
装着部品 メインボックス
部品名・コネクティングウッド 部品名 ・アッパーボックス
部品名・キャリーハンドルフット 部品名 ・ロアーボックス
部品名・キャリーハンドルバー
部品名・バランスフット 付属品
付属品 ・ボトムスティック
装着部品 所定の形状、決まった寸法通りに切だし加工の後、サンドペーパーで面研ぎ加工を施したところでトリマー加工をします。
トリマー加工というのは、数種類のトリマービットを使って、面取りや飾り彫りの加工(トリミング)を施します。トリマー加工で加工した面取りやザグリにはバリが出ていますので、サンドペーパーや棒ヤスリを使って下地となる材の形と面を整える整形という作業が待っています。
孔明け工程
次は孔明け工程に入ります
孔明け工程の最初の作業は点打ち作業です
穴をあける位置に印となる点を打つ作業です
1個の花箱の製作に使用する部品は ◆コネクティングウッド 4
◆キャリーハンドルフット4
◆キャリーハンドルバー 2
◆バランスフット 2
所定の位置にザグリ孔とコーススレッドを誘導する誘導貫通孔、真鍮管を埋め込むためのザグリ孔を必要なだけ加工します。
メインボックス 長板・短板の組み立てからなる蓋と底の無い箱2つで、上箱、下箱とで一つの花箱の本体を形成しています。組となる上下の箱は外面の側寸法(がわすんぽう)に違いがあってはならず、組み立ての時に部品装着にズレと隙間ができてしまうからです。上下の箱を固定して同時にサンディング処理をすすめ、上下合わせたところで四面を指で撫で、引っ掛かりが無いところまでの面研ぎが理想といえます。
メインボックスのトリミングには最大限の注意を払います。メインボックスの木口、断面の年輪模様を強調させるため、杉材を使って外模様に板目模様を出しています。トリマー加工では割れや欠けが出やすいため神経をすり減らすところでもあります。
※同色の現行品は、各パーツの加工から仕上げまでをほぼ同時進行で進めます。同時に完成するのはおおよそ、6箱から9箱程度です。 装着部品に出る下地模様の組合わせが何組確保できるかによって、生産数に増減の変化が生じてしまうのです。
◆Custom Order の場合は大抵、お一人の方からのオーダーで1箱+予備として1箱追加される方もおられますが、ハンドルフットの下地模様とコネクティングウッドの下地模様が合わず、長い時間を頂戴するようなケースがあります。
◆稀ではございますが、そのような場合においては、お断りさせていただくこともございますので、予めご了承くださいますようお願い申し上げます。
着色工程
整形と面均しを終えると下地の着色作業になります。単色の場合であっても大体3回の水性ステインで下地への着色をします。色入れ・面研ぎ・木目だしを繰り返し、下地に色を着色していきます。
重要工程
着色後は十分な乾燥を待つことがとても重要な部分で、大事な時間の使い方といえます。乾燥を待つ間の時間も作業の中では大切なひとつの重要工程といえるのです。
◆作業工程の以下は省略しますが、ニス塗装は部品で3週間程度から一ケ月かかります。
本体メインボックスは外面と内面の同一方向面は同時に塗ります。
箱中はニス3回で仕上げ、箱外は4回~5回塗りで仕上げます。
箱の上縁面と下縁面は7回塗りを施しています。
すべて1回ごとに面均しを入れ ボツ消しをしています
コネクティングウッドやハンドルフット等の装着部品は、ニス塗装5回塗りで仕上げていますが、サンバーストやマーブルといった色とランダムといった不規則な色模様には、エアーブラシによる吹付塗装を行います。工程が途中に1工程多くなります。
また、ニスとニスの塗膜の間にガンで吹いた油性のステインが入るため、塗膜の密着度の多少変化が予想されます。ニス塗装を5回仕上げの後、しばらく乾燥放置をして、6回目の最終仕上げのニス厚塗り塗装を施しています。(ステインを挟んだことで起きる塗膜剥離を懸念しているからです)
写真:HC-42BR/Classic
※現行品に限らず、限定品色のサンバーストカラーの部品などは、どうしても塗りと乾燥に時間がかかってしまうため、最後の仕上げ塗装を残してできるだけ前もって作り置きをしています。
部品が仕上がると部品組付けをして、組み立てをします。コーススレッドで取り付けをし、木栓で埋木処理をし、面を平に均し、ステイン着色からニス塗装5回で仕上げます。
この組み立て後の塗装を組み上げ塗装といい、乾燥を待って最後に手作業によるバフかけをして仕上がりとなります。
コネクティングウッドの取り付け ブラスパイプにL型の振り子を下げて ほぼ真ん中の位置を出す (目安です)
写真上は Custom Order で Center dot design の木栓を使って埋木処理
木栓処理と面均しを終え 組み上げ塗装工程へ 着色が待っています
あと10日後には仕上がると思います